パワハラ野郎
体操の宮川選手のコーチがパワハラで訴えられてクビになったニュースを見て違和感を感じました。パワハラを受けていたハズの選手がそのコーチをクビにするのを望んでおらず処分にショックを隠せない様子だったからです。
その宮川選手が今朝、記者会見しているのをテレビで見ました。宮川選手は18年間生きてきた中で最も勇気を出していると述べました。そして今回のコーチへの処分は協会の権力によるハラスメントだと訴えました。自分が所属する団体の権力者と逆の事を言えるのはスゴい事です。尊敬に値します。ロックです。そしてこの選手とコーチの関係は元に戻したほうが良いのではないかと個人的には思いました。
コーチが選手に何をしたかよく知りませんが、不思議に思うのは行為を受けていた当事者の意志とは関係なくパワハラが誰かに告発されて、それが選手の意向と関係なく加害者であるコーチの処罰に繋った事です。選手はコーチがいなくなって非常に困っていた訳で。
例えば会社のオフィスで部長が女子社員の体をベタベタ撫で回していたとしましょう。
それを見た第三者が部長の行為をセクハラとして会社に訴えた結果、その部長が左遷される事になったら当事者はどう思うのでしょうか。
女子社員がそのセクハラ部長の行為に耐え兼ねていたのであれば彼の左遷はおそらくハッピーな結果ですが、部長とその女子社員が内緒でお付き合いしている仲だったなら当事者にとって非常に迷惑な結果であるかもしれません。
まあ社内でイチャつくのは別の問題があると思います。しかし告発する前に誰かが「家でやれよ。」とふたりにアドバイスすることが欠けていたのではないでしょうか。
某SNSが氾濫する昨今ではこういう類の話題が多い気がします。声の大きい人が「こうすべきだ」と言えば「そうだ、そうだ」「#Me too」と同調者が現れてそれに当てはまらない人は心が張り裂けそうな言葉を浴びせられます。SNSで怒り狂う同調者は自分の意見を言っているようで実は煽り文句に流されているだけです。自分の時間を生きられないネコ王の家来と同じ状況と言えます。それにしても「猫の恩返し」に出てくるハルちゃんかわいい。
ツイッターやブログで何を言おうと個人の自由ですが、解決できないすべての問題をアベのせいにしたり万人に聖人君子であることを望む風潮はちょっとどうかと思います。
昔、会社に酒を飲むと酔っ払って人の頭をべしべし叩いてくるおっさんがいました。その行為自体は腹立たしく、おっさんを上司として見たらそれは完全なハラスメント行為と言えると思いますが、酔っ払って完全にアホと化したおっさんに人間味を感じて少しホッとした自分がいる事に気付いたのも事実でした。もちろんその行為自体は腹立たしく、度が過ぎたらそのアホと化したおっさんを懲らしめる準備はしていたのも事実です。どうせ次の日覚えていないのもわかっていたので。
全員が同じ考え方なんてあり得ないし、そんな同調圧力に屈しそうなときに聞きたい曲はこれです。
エレファントカシマシの「ズレてるほうがいい」
戦いにこだわって敗れゆく定めでも移ろうこの世間にゃズレてるほうがいい
という歌詞がグッと来ました。
映画「のぼうの城」の主題歌で宮本氏が映画をテーマにして作った曲だったと思います。
僕はこの映画をまだ観ていません。
たしか秀吉がどこかの城主にパワハラする話だったと思います。
それではさようなら。