kawaの日記

どうにかしてボールを打ってやろうと編み出した練習法を綴ったおっさんゴルファーの日記

俺はなぜあの女の子を助けられなかったのか

会社帰りの小田急線で僕はスマホゲームに夢中になっていた。「にゃんこ大戦争」と「ポコポコ」である。実にくだらないゲームだが面白いのだ。平日の唯一の楽しみと言っても過言ではない。いや、言い過ぎた。

 

田舎だからひと駅間が長い。そういえばチャリンコの電灯の電池が切れていたのに気づいた。降りるひとつ前の駅で僕はゲームをやめて電灯の乾電池を交換することにした。

 

すると、スーツ姿のおじさんが僕の隣に座った。その隣に二十歳くらいの女の子がいた事に僕はその時気づいた。

 

そのおじさんは女の子に話しかけ始めた。

「寒いですね…。」

「……。」

「私は新宿まで行くんだけどあなたはどこまで行くの?」

なんだろう…。

女の子はドン引きしている…。

 

僕は思った。

「変なおじさんだ!!」

 


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変なおじさんによる一方通行の会話は続く。

「ポケットにモノを入れますよね?」

「あなたのポケットには何が入っていますか?」

 

ちょっと気持ち悪い、不審者かもしれない。おじさんと女の子の間に恋が芽生える気配は微塵も感じられない。

 

女の子はドン引きしている。しかし、彼女は人が良いのか変なおじさんの問いに一応答えている。

 

駅に着いた。僕は電車を降りた。女の子にはうまく逃げ延びてほしいと思った。

 

いや、ちょっと待てよ。

助けられたんじゃないか俺?

知り合いの振りして一緒に降りちまえば良かったんじゃないか?

 

そんなアイデアを思いついた時にはもう遅かった。僕はあの子を助けたかったのだ。後悔した。何故か分からなかったけど。

 

女の子からすれば僕も同じ「キモイおっさん」カテゴリかも知れないが、相手が露骨に嫌がっているのくらい察する事ができると思っているし、公共の場で自分の性癖をさらけ出すつもりは毛ほども無い。それより釣りとかバーベキューやりたい。

 

今度変なおじさんに絡まれている人がいたら助けてあげようと思ったので、忘れないうちに書いておくことにした。あのお人好しな女の子が上手く窮地を脱していることを願う。そして次からは…

 

「このおじさん変なんです。」

 

と言える勇気を出していただきたい。

 

だっふんだ。